エアコンの電気代、つけっぱなしは得?損?
正しい使い方
エアコンはつけっぱなしのほうが電気代が安い、とよく聞きます。でも、これは半分正解で半分間違い。条件によって、得なときと損なときがあります。「いつでもつけっぱなしが正解」と思い込むと、逆に電気代が増えることもあります。
ここでは、どんなときにつけっぱなしが得で、どんなときに消すべきかを、正直に整理します。
つけっぱなしが得なのは「短時間の外出」
エアコンは、運転を始めるとき(部屋の温度を設定温度まで一気に変えるとき)に、いちばん電力を使います。安定して運転しているときは、消費電力が落ち着きます。
だから、こまめにオン・オフを繰り返すと、そのたびに立ち上がりの電力がかかって逆効果。目安として、
- 30分程度の短い外出:つけっぱなしのほうが得なことが多い
- 3時間以上の長い外出:一度消したほうが得
日中に買い物へ30分、といった場面なら、つけっぱなしのほうがトクというわけです。逆に、長時間の外出や、涼しくなった夜などは、消したほうが節約になります。
そもそも、エアコンの電気代はいくら?
判断の土台として、金額の感覚をつかんでおくと迷いません。電気代は次の式で計算できます。
電気代 = 消費電力(kW) × 電気料金の単価(円/kWh) × 使った時間
電気料金の単価は、目安としてよく1kWhあたり31円が使われます(契約により異なります)。これで計算すると、1時間あたりの電気代の目安はこのくらいです。
| 運転 | 1時間あたりの目安 |
|---|---|
| 冷房 | およそ10〜15円 |
| 暖房 | およそ15〜25円 |
暖房のほうが高くなりやすいのは、外の気温と設定温度の差が大きいほど、エアコンが多くの電力を使うためです。真冬に外が5℃で室内を20℃にするのと、真夏に35℃を28℃にするのとでは、前者のほうが差が大きく、負担も大きくなります。
なお、いまのエアコンは運転状況で消費電力が細かく変わるため、上の金額はあくまで目安です。正確に知りたい場合は、エアコンの取扱説明書や本体のラベルに書かれた消費電力(kW)を、上の式に当てはめてください。
「除湿と冷房、どっちが安い?」は方式で変わる
夏によく話題になるのがこれです。ネットでは「除湿のほうが安い」「いや高い」と情報が割れていますが、答えは除湿の方式によって変わります。ここを知らないと、節約のつもりで高い運転を選んでしまいます。
エアコンの除湿には、大きく3つの方式があります。
- 弱冷房除湿:空気を軽く冷やして水分を取り、そのまま部屋に戻す。消費電力は少なめ
- 再熱除湿:一度冷やして水分を取ったあと、温め直してから戻す。温め直す分だけ電力を多く使う
- ハイブリッド除湿:上の2つを組み合わせて調整する方式。消費電力は弱冷房除湿に近い
メーカーの説明では、消費電力の大きさはおおむね次の順です。方式ごとの差が見えるように、消費電力を0.8kWにそろえて計算したのが下の図です。
運転モード別の電気代の比較(消費電力を0.8kWにそろえた場合・31円/kWh)
出典:各社の解説をもとに整理。方式ごとの差を見るために消費電力を0.8kWにそろえた計算例なので、前の表(実際の運転での冷房10〜15円)より高い数字になります。ここで見てほしいのは金額そのものではなく、3方式の大小関係です。実際の消費電力は機種・室温・設定により大きく変動します。
つまり、再熱除湿は冷房より高く、弱冷房除湿は冷房より安いというのが基本の関係です。「除湿=節約」と思い込むのは危険で、自分のエアコンがどの方式かを確認するのが先決です。
方式は、取扱説明書やメーカーの製品ページで確認できます。リモコンに「さらら除湿」「カラッと除湿」などの名前がある場合、再熱除湿にあたることがあります。判断に迷ったら、型番でメーカーサイトを調べてみてください。
使い分けの目安
- 気温が高くて暑い日:冷房が効率的
- 気温はそれほど高くないが、じめじめして不快な日:弱冷房除湿が向く
- 洗濯物の部屋干しや、梅雨寒の日に室温を下げたくない:再熱除湿(電気代は高め)
電気代を抑える「使い方」7つ
つけっぱなしの是非より、日々の使い方のほうが電気代に効きます。
- 設定温度を控えめに(冷房は28℃、暖房は20℃が環境省の目安)
- 風量は「自動」にする(弱風より、自動が結局は効率的)
- フィルターを2週間に1回ほど掃除する(目詰まりは効率を大きく落とす)
- 室外機の周りに物を置かない(放熱を妨げない)
- サーキュレーターや扇風機で空気を回す(体感温度が変わる)
- カーテンで日差しや冷気の出入りを抑える
- 「1℃」の調整を意識する(冷やしすぎ・暖めすぎを防ぐ)
特にフィルター掃除と設定温度は、誰でもすぐできて効果が分かりやすい2つです。
どの家電が電気を食っているかを知るともっと効く
エアコンは家庭の電気代の大きな割合を占めますが、「実際にどれだけ使っているか」は数字で見えると対策しやすくなります。電気代の内訳や原因は電気代が高い原因は?に、消費電力を見える化するスマートプラグの実例はスマートプラグで電気代は下がる?にまとめています。
よくある質問(FAQ)
結局、つけっぱなしと消すの、どっちが得?
外出時間しだいです。30分程度の短い外出ならつけっぱなし、3時間以上ならいったん消す、が目安。こまめなオン・オフの繰り返しは、立ち上がりの電力がかさんで逆効果になりがちです。
設定温度は何度がいい?
環境省の目安は冷房28℃・暖房20℃です。無理な我慢は禁物ですが、1℃ゆるめるだけでも電気代は変わります。サーキュレーターで空気を回すと、同じ設定でも体感が快適になります。
フィルター掃除はどのくらいの頻度?
2週間に1回ほどが目安です。フィルターが目詰まりすると効率が落ちて、余計な電力を使います。掃除機でホコリを吸うだけでも効果があり、いちばん手軽な節約のひとつです。
除湿と冷房、電気代が安いのはどっち?
除湿の方式によって逆転します。弱冷房除湿は冷房より安く、再熱除湿(冷やした空気を温め直す方式)は冷房より高くなるのが一般的です。「除湿にすれば節約」とは限らないので、まず自分のエアコンの方式を取扱説明書やメーカーサイトで確認しましょう。
冷房と暖房、電気代が高いのはどっち?
一般に暖房のほうが高くなります。外の気温と設定温度の差が大きいほど電力を使うためで、真冬の暖房は真夏の冷房より負担が大きくなりがちです。冬は設定温度を1℃下げる、厚手のカーテンを使うなどの対策が効きます。
まとめ:つけっぱなしより「使い方」で差がつく
エアコンの電気代は、次のポイントを押さえると無理なく下がります。
- 短時間(30分程度)の外出はつけっぱなしが得、長時間は消す
- こまめなオン・オフの繰り返しは逆効果
- 除湿は方式しだい(弱冷房除湿は冷房より安く、再熱除湿は高い)
- 設定温度・フィルター掃除・風量自動が効く
「つけっぱなしが常に正解」ではなく、外出時間で使い分けるのが正解です。あわせて、自分のエアコンの除湿方式を一度確認しておくと、夏の電気代がぐっと読みやすくなります。電気・ガス・水道をまとめて下げたいときは光熱費・固定費を下げる完全ガイドもどうぞ。
※ 得になる外出時間の目安は、機種・部屋の環境・気温により異なります。電気料金の単価や設定温度の目安も、各社・公的機関の最新情報をあわせてご確認ください。
このテーマのまとめ 光熱費・固定費を下げる完全ガイド。共働き家庭が効果の大きい順に見直す 電気・ガス・水道・通信費など、共働き家庭の光熱費と固定費を下げる方法を、効果の大きい順にまとめた完全ガイドです。固定費の見直しから家電の使い方、スマートプラグでの見える化まで、我が家の実践と公的データをもとに、何からどう下げるかを整理しました。