暖房器具の電気代を比較。
こたつ・電気毛布・エアコンで何が違うか
寒くなってくると、どの暖房を使うかで電気代が変わります。
先に結論だけ書きます。1時間あたりの金額で並べると、いちばん安いのは電気毛布です。ただ、それで部屋が暖かくなるわけではないので、金額だけで選ぶと失敗します。
消費電力から計算した数字と、その数字をどう読むかを整理します。
1時間あたりの電気代を比べる
消費電力の目安から計算しました。電気料金は1kWhあたり31円で計算しています。
| 暖房器具 | 消費電力の目安 | 1時間 |
|---|---|---|
| 電気毛布 | 55W | 約1.7円 |
| こたつ(弱) | 100W | 約3.1円 |
| ホットカーペット(1畳) | 130W | 約4.0円 |
| こたつ(強) | 300W | 約9.3円 |
| ホットカーペット(3畳) | 350W | 約10.8円 |
| 電気ストーブ(弱) | 330W | 約10.2円 |
| セラミックファンヒーター(弱) | 600W | 約18.6円 |
| 電気ストーブ(強) | 1000W | 約31.0円 |
| セラミックファンヒーター(強) | 1200W | 約37.2円 |
いちばん上と下で、20倍以上の差があります。
1日8時間を30日続けた場合で見ると、差はもっとはっきりします。電気毛布なら月約410円、セラミックファンヒーターの強なら月約8,900円です。
エアコンだけは「1時間◯円」で言えない
ここが、この手の比較でいちばん誤解されるところだと思います。
6畳用のエアコンを暖房で使うときの消費電力は、110Wから1,490Wまで変わります。13倍の幅があります。
- つけた直後:部屋を暖めるためにフルパワーで動く。1時間あたり40円を超えることもある
- 設定温度に達したあと:維持するだけなので大きく下がる。3円台まで落ちることもある
つまり、エアコンの電気代は「何時間つけたか」より「何回つけ直したか」で決まります。こまめに消すと、そのたびに立ち上がりの高い消費電力が発生します。
「こたつのほうがエアコンより安い」とよく言われますが、条件によります。安定して動いているエアコンは、こたつの強より安いことすらあります。
外の気温が低いほど立ち上がりは長くなるので、真冬ほどこの差は大きくなります。
安い暖房器具が、安い理由
表の上位に並んでいるものには共通点があります。部屋ではなく、体の一部だけを暖めていることです。
- 電気毛布:布団の中だけ
- こたつ:足元だけ
- ホットカーペット:座っている面だけ
暖める範囲が狭いので、少ない電力で済みます。そのかわり、そこから出れば寒いままです。
逆に、エアコンやファンヒーターは部屋の空気全体を暖めます。範囲が広いぶん電力を使いますが、どこにいても暖かくなります。
同じ「暖房器具」でも役割が違うので、金額だけを並べて比べると判断を間違えます。
組み合わせると下がる
現実的にいちばん効くのは、部屋全体を暖めるものの設定を下げて、足りない分を部分暖房で補う形です。
- エアコンの設定温度を1〜2度下げて、こたつや電気毛布を足す
- 在宅ワークの日中は、部屋を暖めずひざ掛けとホットカーペットで済ませる
- 寝るときはエアコンを切り、電気毛布に切り替える
エアコンの設定温度を下げるのが効くのは、外気温との差が小さくなるぶん、エアコンが働く量そのものが減るからです。
寝るときの切り替えは、特に効果が分かりやすい部分です。8時間エアコンを動かすか、電気毛布にするかで、1日あたりの差が数十円から百円を超えることもあります。
暖房器具にスマートプラグを使わない
節約の記事でよく見かけるのが、「こたつの消し忘れ防止にスマートプラグを使う」という方法です。
これはやめてください。
スマートプラグのメーカーは、こたつや電気ストーブなどの暖房器具への使用を、安全上の理由で禁止しています。我が家で使っているSwitchBot プラグミニも、公式に禁止と明記されています。
理由は、暖房器具が大きな電流を長時間流し続けるためです。定格の範囲内に見えても、発熱や発火のリスクがあります。
消し忘れが心配なら、暖房器具側についている切タイマーを使ってください。ほとんどの製品に付いています。
スマートプラグが向いているのは、テレビまわりや間接照明のような、消費電力の小さい機器です。詳しくはスマートプラグの選び方にまとめました。
数字の前に確認すること
器具を買い替える前に、確認しておくと効果が大きい部分があります。
料金プランです。電気代は「使った量 × 単価」で決まるので、単価が合っていないと、どれだけ節約しても下がりません。
冬は使用量が増えるぶん、プランの差も大きく出ます。手順は電力会社の乗り換えは得?にまとめています。
そのうえで、どの家電が電気を食っているかを知りたい場合は、電力を計測できるスマートプラグが使えます(暖房器具以外に限ります)。
よくある質問(FAQ)
結局、いちばん安い暖房は?
1時間あたりで見れば電気毛布です。55Wで約1.7円、1日8時間を30日続けても月約410円に収まります。ただし暖まるのは布団の中だけなので、部屋で過ごす時間には使えません。「安い暖房」と「部屋が暖かくなる暖房」は別物として考えてください。
こたつとエアコン、どっちが安い?
条件によります。こたつの弱は約3.1円、強は約9.3円です。エアコンは110W〜1,490Wと幅が広く、約3.4円から46円まで変わります。つけた直後はエアコンのほうがずっと高く、設定温度で安定するとこたつの強より安いこともあります。こまめに消して何度もつけ直すと、エアコンがいちばん高くなります。
エアコンはつけっぱなしのほうがいい?
短時間の外出なら、つけっぱなしのほうが安く済むことがあります。立ち上がりに大きな電力を使うためです。ただし数時間空けるなら消すほうが確実です。夏の冷房での検証もふくめて、エアコンはつけっぱなしと切るの、どちらが安い?にまとめています。
こたつの消し忘れ対策にスマートプラグは使える?
使えません。スマートプラグのメーカーが、こたつや電気ストーブなどの暖房器具への使用を安全上の理由で禁止しています。大きな電流が長時間流れることによる発熱・発火のリスクがあるためです。消し忘れが心配な場合は、こたつ側についている切タイマーを使ってください。
表の金額と実際の請求が合わないのはなぜ?
この表は消費電力に1kWh=31円をかけた計算値です。実際には、こたつやホットカーペットはサーモスタットで自動的にオンオフを繰り返すため、表示された消費電力がずっと流れ続けるわけではありません。実際の電気代は、表の金額より安くなることが多くなります。器具どうしを比べる目安として使ってください。
まとめ:金額と暖かさは別で考える
冬の暖房を選ぶときの要点です。
- 1時間あたりでいちばん安いのは電気毛布(約1.7円)、高いのはセラミックファンヒーターの強(約37.2円)
- 安い器具は、体の一部しか暖めていない。部屋は寒いまま
- エアコンは110W〜1,490Wと幅が13倍あり、1時間あたりの金額では比べられない
- エアコンの電気代は「何時間つけたか」より「何回つけ直したか」で決まる
- 現実的に効くのは、エアコンの設定温度を下げて部分暖房で補う組み合わせ
- 暖房器具にスマートプラグを使わない。メーカーが安全上の理由で禁止している
- 器具を替える前に、料金プランが合っているかを確認する
安い器具に替えるより、いまある器具の使い方を変えるほうが効くことが多い分野です。
電気代全体の見直しは電気代が高い原因は?、光熱費の順番は光熱費・固定費を下げる完全ガイドにまとめています。
この記事について
本文の電気代は、各暖房器具の一般的な消費電力の目安に、1kWhあたり31円(全国家庭電気製品公正取引協議会の目安単価)をかけて計算した値です。製品や設定、部屋の条件によって実際の消費電力は変わります。
スマートプラグの使用禁止については、メーカーの公式情報によります。
※ 電気料金の単価は契約プランによって異なります。正確な金額は、ご自身の検針票でご確認ください。
このテーマのまとめ 光熱費・固定費を下げる完全ガイド。共働き家庭が効果の大きい順に見直す 電気・ガス・水道・通信費など、共働き家庭の光熱費と固定費を下げる方法を、効果の大きい順にまとめた完全ガイドです。固定費の見直しから家電の使い方、スマートプラグでの見える化まで、我が家の実践と公的データをもとに、何からどう下げるかを整理しました。